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インド映画入門!映画「バジュランギおじさんと、小さな迷子」感想と予備知識

2019年1月18日に公開、映画「バジュランギおじさんと、小さな迷子」。
「インド映画の最高傑作だ!」というコメントも多く寄せられる話題のこの映画は国や宗教の壁を超えた愛が国家間を動かす感動の物語でした。

 

無言の少女を国に返したい。その想いが国境を超える。

この映画は暖かい気持ちになれる素晴らしい映画でした。

全世界でヒットし、評判も良かったので元々インド映画が好きな私は期待する気持ちを膨らませて劇場に足を運んだのですが、その期待を超える面白さと感動に「観て良かったー!!」と胸を張って言える映画でした。

この映画の舞台はインドとパキスタン。

この両国の関係はかなり悪く、この映画が公開された直後にも戦争に発展しそうな事件が起こって緊張感が両国を覆いました。

そんなインドでも、パキスタンでもこの「バジュランギおじさんと、小さな迷子」は大ヒットしたということが『映画』という表現方法の素晴らしさを改めて感じました!

インドに迷い込んでしまった言葉を話せない6才のパキスタン人の少女 シャヒーダーを
無事に故郷に帰そうと試みるバジュランギおじさんの国境を超えた冒険が、国境や宗教などのお互いの価値観をも超えた感動を生むラストの展開は涙なしには観れませんでした。

そんな重いテーマを含みながらもインド映画の特徴は『とにかく楽しい!』ところ!
インド映画お決まりの“歌とダンスのシーン”も言葉はわからないけどノリノリになれますし、全体的にはコメディなのも観やすくて良かったです!

そんなこのインド映画をご紹介させていただきます!

早速、映画館に足を運んできましたのであらすじ・キャスト・感想などをまとめてネタバレなしのレビューでご紹介させていただきます。

予告編・あらすじ

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声が出ないパキスタンの少女シャヒーダー(ハルシャーリー・マルホートラ)は、母親とインドのイスラム寺院に願掛けに行った帰り道ではぐれてしまう。ヒンドゥー教徒のパワン(サルマーン・カーン)は迷子の彼女を預かるが、後に少女がイスラム教徒だと知る。対立する両国の現実を背負いつつも、パワンは国境を越え少女を親元に送り届けようとする。シネマトゥデイより引用

スタッフ・キャスト

【製作】2015年製作 インド

【原題】Bajrangi Bhaijaan

【監督】カビール・カーン

【音楽】プリータム・チャクラボルティー

キャスト

パワン(バジュランギおじさん): サルマーン・カーン

ハマヌーン神を信仰しているインドの青年。常に正直者で嘘をつかない。というか付けない。笑
どこまでも正直を貫くためにいくつもの困難が彼を襲うが少女を故郷に返したいという想いが全てを突破していく。

シャヒーダー: ハルシャーリー・マルホートラ

生まれたときから言葉を発したことがないパキスタン人の少女。母がインドの神様に祈ると話せるようになるかもしれないということでインドに来るが、離れ離れに。迷子になった彼女はパワンと出会う。

その他キャスト

カリーナ・カプール ナワーズッディーン・シッディーキー シャーラト・サクセーナ オーム・プリー

おすすめポイント

ここからはこの映画をもっと楽しんで貰えるようにネタバレ無しのレビューでご紹介させていただきます!
観る前に見どころポイントを予備知識として入れて鑑賞しましょう!

映画「バジュランギおじさんと、小さな迷子」の映画ポスターです。|(C)Eros international all rights reserved. (C)SKF all rights reserved.
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① 初心者におすすめのインド映画入門編

『インド映画観た事ある?』と人に聞くと
大体の人が「観たことない」か「きっと、うまくいくって映画は聞いた事ある!」って反応だと思います。

映画というとやっぱり、アメリカやヨーロッパのイメージが今も強いですがインド映画を甘く観てはいけないです!!

インド映画はとにかく観ている人を楽しませてくれる!最後は必ずハッピーエンド!歌とダンスで盛り上がる!

一度観てみたらその面白さに今まで観ていなかったことを後悔するくらい面白いです!

 

インド映画といえば「きっと、うまくいく」「ダンガル」などの感動できる良い映画や、「ロボット」「マッキー」などのとにかく笑えて楽しい映画など、おすすめしたい映画はたくさんありますが、インド映画の“入門”として特におすすめしたいのはこの作品です!

この映画はストーリーの中に笑えて楽しいコメディ要素と盛り上がれる歌とダンスのシーンが詰め込まれていて観ているだけでも面白い!

そしてこの映画に含まれた「インドとパキスタンの世界情勢」というテーマについてもよく分かります。

そういった“インド映画的な要素”を活かしながらも「迷子の少女を家に帰してあげる」という一言で表現できてしまうシンプルなストーリーです。

シンプルなストーリーのおかげで国や文化に関係なく共感して、応援できる、この物語は日本人の私たちが観ても心にグッとくる作品であることは間違い無いと思います。

「インド映画はまだ観たことない!」という人は
この映画を見るとインド映画の特徴や魅力を一気に理解できると思うのでオススメしたいです!

② インドとパキスタンの関係と歴史

この映画に含まれた『インドとパキスタンの関係』について予備知識を入れておくと込められたメッセージ性と、それがどれだけタイムリーな問題なのか理解できてストーリーに“深み”が増すと思います!

ここではざっくりと両国の関係についてもご紹介します。

 

インドとパキスタンという隣同士の国。

この2つの国は第二次世界大戦より前ではイギリス領の植民地として占領していてお互い同じ国の植民地で場所も隣国であることから元々“同じ国のようなもの”でした。

それがその後、2の国が分かれたのが今のインドとパキスタンになっています。

なぜ植民地でなくなった際に2つの国に分断されたのか?

それは“宗教観の違い”です。

一つの国にしよう!という意見もありましたがパキスタンに住むヒンドゥー教徒はインドに、インドに住むイスラム教徒はパキスタンに移住することとなり国が分かれました。

そのことがきっかけで世界大戦が終わった後もインドとパキスタンは「第1次印パ戦争」という戦争を起こします。

その後も、お互いの国が分かり会うことはなく、現在に至っても少しのきっかけで戦争に発展する危険があるほど、この両国の国境では緊張感が走っています。

この“歴史的な背景”を知った上でこの作品のストーリーに話を戻してみましょう。

 

この映画は「パキスタン人の6才の少女がインドに迷い込み、
インド人の青年が少女を家に返す」というストーリーです。

パスポートもビザも持っていないこの2人はなんとか国境を越えようと危険を覚悟で国境越えを試みます。

それは“殺されるかもしれない大事件”なのかということを頭に入れてこの映画を観てみるとこの楽しいシンプルなストーリーの中に含まれた『インドとパキスタンの関係性』というテーマが見えてくるはずです。

この物語はインドとパキスタン、両国の国境も宗教の越えたお話です。

そんな国家間の問題も超えた愛のストーリーの映画がパキスタンでも、インドでも大ヒットしたということを考えるとそれぞれの国の人々はこの映画の中の世界のように両国の関係が回復することを望んでいるように思えてなりませんでした。

表面的にはとてもシンプルで実は深い問題が含まれているというところでもこの映画は素晴らしいと思います。

炎上して問題になる可能性もあったのにこの映画を作った人たちは本当にすごいですz!

③ バジュランギおじさんは少女をパキスタンに帰せるのか

この映画の主人公の“バジュランギおじさん”こと青年パワンは猿の「ハヌマーン」という神様を信仰している熱心なヒンドゥー教徒です。

そんな彼は“正直”であることを信念として生きていて、絶対に嘘を付きません。というか、付けません。

道中で嘘をつけばうまく抜けられる箇所はいくつもあるけど、おじさんは正直を貫くので様々な災難に見舞われます。笑

それでも、持ち前の“正直”が一周回って事態を好転させていく姿がとても応援したくなりました!

 

一方、インドで迷子になるシャヒーダーは体に異常はないのですが生まれたことから喋ることが出来ません。

そんな娘に喋れるようになってほしい母親が「インドにある有名な寺院で祈ると喋れるかもしれない!」と思い列車に乗ってインドへ渡ります。

列車がインドに入ってまも無い頃、喋れないシャヒーダーはとあるきっかけから行方不明になって偶然、粉まみれでノリノリのダンスを踊っているおじさんと出会うのでした。

 

おじさんは言葉を話せないシャヒーダーを放っておくことが出来なくて家に連れ帰ります。そこでチキンを喜んで食べるシャーヒダーの姿を見て、パキスタン人だと気付きます!(菜食のヒンドゥー教徒はカレーは食べるけど、タンドリーチキンはパキスタン人しか食べない)

そこから少女をパキスタンへ帰すことを決めたおじさん。しかし、少女は喋れないので手がかりも何も得られません。

国境を超える為にビザを取ろうとしますが、インド人はパキスタン人の少女に厳しく相手にしてもらえません。

「ビザが取れないなら自力で国境を超えるしかない!」とそこから喋れない少女と正直者のおじさんの国も宗教も超えたストーリーが加速していきます!

道中、ドタバタコメディと歌とダンスのリズムに乗りながらこの2人の珍道中が進んでいくのは観ていて面白い!

 

おじさんはシャヒーダーを家に帰すことができるのか??
そして、少女は喋ることができるようになるのか??

それはこの映画を観て、見届けてください!

おわりに

インドとパキスタンは何度も戦争をしていて現在に至っても紛争が起こっているほど関係が悪いです。

そして、この映画が日本で公開された直後にパキスタン領内でインド軍が空爆を行いました。

再び戦争に発展しそうな自体になり、この映画が取り上げている問題はほんとに複雑で難しい問題なんだな、と考えさせられました。

パワンとシャヒーダーがきっかけでお互いの国が手を取り合ったように現実にも良い方向に向かって欲しいと心から思います。

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この映画で宗教観の違いから仲が悪くなってしまった国の存在を知った方は、未だに根深く残る人種差別問題について考えるきっかけになるこちらもおすすめです!

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映画「ブラック・クランズマン」の映画ポスターです。|作品ポスター・画像 (C)2018 FOCUS FEATURES LLC, ALL RIGHTS RESERVED.より引用

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