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日本人の私達には予備知識は必要?実話を描く映画「スキャンダル」ネタバレなし感想

館長
ビリー・アイリッシュの「Bad Guy」が予告で使われていたのでスタイリッシュなエンタメ映画なのかなと思って観てみたら、実際にあった出来事に基づいて作られた真面目な社会派映画でした!
とはいえ、メインの3大女優の魅力が炸裂していて見どころの多い映画なのでご紹介させていただきたいと思います!
第92回 アカデミー賞
メイクアップ&ヘアスタイリング賞 受賞

映画「スキャンダル」の基本情報

あらすじ

大手テレビ局FOXニュースの元人気キャスター、グレッチェン・カールソン(ニコール・キッドマン)が、CEOのロジャー・エイルズ(ジョン・リスゴー)をセクハラで提訴する。メディアが騒然とする中、局の看板番組を背負うキャスターのメーガン・ケリー(シャーリーズ・セロン)は、今の地位をつかむまでの軌跡を振り返って動揺していた。一方、メインキャスターの座を狙うケイラ・ポスピシル(マーゴット・ロビー)は、ロジャーと対面する機会を得る。シネマトゥデイより引用

スタッフ

【製作】2019年製作 カナダ・アメリカ合作

【原題】Bombshell

【監督】ジェイ・ローチ
代表作:「オースティンパワーズ シリーズ」「ボラット 栄光ナル国家カザフスタンのためのアメリカ文化学習」など

【脚本】チャールズ・ランドルフ
代表作:「マネー・ショート 華麗なる大逆転」「ラブ&ドラッグ」など

【編集】ジョン・ポール

【音楽】セオドア・シャピロ
代表作:「マイ・インターン」「LIFE!」「プラダを着た悪魔」など

【特殊メイク(シャーリーズ・セロン】カズ・ヒロ
代表作:「ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男」でオスカー受賞

キャスト

メーガン・ケリー: シャーリーズ・セロン(「マッドマックス 怒りのデス・ロード」「プロメテウス」「アトミック・ブロンド」などに出演)

彼女はFOXニュースで「AmericaLivewithMegynKelly」「TheKellyFile」などの番組を務めた人気キャスター。全米で彼女を知らない人がほとんどいないほどの有名人。グレッチェンがCEOを告訴したことを受けて、過去に自分も被害に遭っていたことを公表する。

館長
誰もが知っている本物のメーガン・ケリーに魅せるためにシャーリーズ・セロンの顔を3Dプリンターで読み込み、特殊メイクを施した日本人のカズ・ヒロさんが二度目のオスカー受賞を果たしました!おめでとうございます!
なんと、この彼女のメイクには3時間もかかるそうです。

グレッチェン・カールソン: ニコール・キッドマン(「めぐりあう時間たち」「アイズ ワイド シャット」「ムーラン・ルージュ」などに出演)

ミス・ミソネタやミス・アメリカに選ばれるほどの美女でスタンフォード大学を卒業している才色兼備な女性。FOXニュースの“朝の顔”として11年の間活躍し続けた有名キャスター。FOXニュースCEOのロジャー・エイルズを提訴したことがきっかけで長年に渡って黙殺されてきたセクハラ問題が公になる。

ケイラ・ポスピシル: マーゴット・ロビー(「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」「アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル」「ウルフ・オブ・ウォールストリート」などに出演)

実在するメーガン、グレッチェンに次いでメインキャストの3人目になる彼女は唯一の実在しないオリジナルキャラクターです。27歳の彼女はスターキャスターを夢見ていて、CEOとの対面までたどり着くが、そこでセクハラを要求される。

館長
この実在しないケイラというキャラクターを実際に起った事件の再現VTRから1本の映画へと昇華させていると思います。この映画のキーパーソンだといえます!

ロジャー・エイルズ: ジョン・リスゴー(「ザ・クラウン」「ガープの世界」「インターステラ―」などに出演)

FOXニュースの会長兼CEO。会社を長年に渡って成長させてきた功績の裏で、脚を写すためだけのカメラを用意したり女性社員へのセクハラを繰り返したきた。セクハラについては社内からの告発が出ないように対策を施すまでする徹底ぶりだったが、グレッチェンの告発で被害者たちが立ち上がり、窮地に立たされる。

その他キャスト

ケイト・マッキノン コニー・ブリットン マルコム・マクダウェル アリソン・ジャネイ リブ・ヒューストン ブリジット・ランディ=ペイン ロブ・ディレイニー マーク・デュプラス スティーブン・ルート ロビン・ワイガート エイミー・ランデッカー ナラザン・ボニアディ ジェニファー・モリソン アシュリー・グリーン

 

実話だから予備知識がある方が良い?

この作品は実際に起ったセクハラ告発事件を基にした映画です。

その事件はアメリカに住む人なら誰にとっても記憶に新しい大事件でした。

しかし、日本に住んでいる私達には馴染みがなかったかもしれません。

なのでできれば予備知識を入れてからご鑑賞されることをおすすめします。

ここでは「FOX社」について少し知ってからこの作品を観ることで理解しやすくなっていただければと思います。

また、この映画の注目するポイントを知ることでもっとこの映画がわかりやすい印象になるはずです。

がっつり実話を基にした映画なのでおさらいしてから劇場へ向かいましょう!

FOXのセクハラ告発事件について

この映画を観る前に「FOX」という企業について、この事件について少し知っておきましょう!

この会社はもともと『フォックスフィルムズ』と『20世紀映画』という2社が合体して1934年に出来た会社です。そこから時が流れて1985年に『ニューズコーポレーション』という会社に買収されます。

ニューズコーポレーションという名前は耳馴染みが薄いかもしれませんが「ウォールストリート・ジャーナル」「ニューヨーク・ポスト」など数多くのメディアを運営する超大企業です。

そこからこの作品の舞台である『FOXニュース』というケーブルテレビのテレビ局を立ち上げて“FOX〜”と名前のつく事業をどんどんを増やしていきました。

一方、この作品には関係ありませんが、映画部門は『21世紀FOX』という企業になり、2019年にディズニーが同社を買収しています。(映画が始まる前によく見るスポットライトの当たるアレです。)

買収とか合併とかで話がややこしくなりましたが、
「どんどん大きくなっていった特大企業」なんだと思ってもらえれば大丈夫です。

そこで2016年にスターアナウンサーのグレッチェン・カールソンがCEO兼会長のロジャー・エイルズに対し、セクハラを受けたことを告発したという出来事を描いたのがこの映画です。

その後、CEO兼会長を退任させられるという事態は、セクハラ問題が深刻なことを全米に知らしめました。

そのあたりから「#MeToo運動」などを通して、女性ハリウッドスター達の過去のセクハラ暴露などが相次いたことは記憶に新しいですね。

報道されたときの実際のニュースwww.youtube.com

この映画は
アメリカ人がこの映画を観ると「あのニュースの裏側でこんなことが起こっていたのか!!」と理解が早く進みますが、
日本人の私達が観ると会話が中心の情報量が多い映画なので理解するのには一苦労するかもしれません。

しかし、注目してもらいたいのは「性差別に勇気を出して立ち向かった女性たちの姿」です。

裏側にあったドラマの部分にフォーカスを当てて見ていただければ当時、事件に関心がなくても混乱せずにこの作品を見れると思います。

ネタバレなし感想レビュー

ここからはこの映画をもっと楽しんで貰えるようにネタバレ無しのレビューでご紹介させていただきます。観るか悩んでいる方に特に読んでいただきたいです!

FOXニュースの裏側で起こった実話

FOX社で起こった実話を基に作っているのがこの「スキャンダル」です。

まず、2016年というつい最近の事件の全貌を豪華なキャストを使って完璧に再現しようとしたジェイ・ローチ監督をはじめとする制作陣に拍手を贈りたいです!

2016年に起こったということは今もまだ同社で働いている社員も当然多くいてるはずです。それに加えて、この事件は全米に大きな波紋を広げました。

しかも内容がセクハラ問題というセンシティブな内容であるにも関わらず、この2020年に映画化してしまうということに制作陣の覚悟を見ました。

事件の内容としてはざっくり言うと「セクハラを長年行ってきたCEOがキャスターの告発によって問題が発覚し、退任するまでの裏側を描いた映画」だと思います。

それだけ聞くと社会派な映画となってしまうのですが、注目したいのはそこで描かれる「性差別と戦う女性の姿」であると思いました。

ニコール・キッドマン演じるグレッチェンは何年も前から会話の内容を録音したり、弁護士と打ち合わせをしたりと告発の体制を整えていました。

長年人気キャスターとして活躍していた彼女がまさか、そんなことを準備していたなんてロジャー・エイルズは想像もしなかったでしょう。

そこで、グレッチェンが告発をしたことをきっかけに被害者たちが立ち上がるのか?というとそうではありませんでした。

1人が名乗り出てもCEOロジャーの権力は強大でとてもFOX社がひっくり返るようなことになるとは思えず、仕事を失うことへの恐怖から被害者たちは怖くて名乗り出ることが出来ません。

そこに性差別やセクハラ問題に潜む真の恐怖を見たような気がします。

よく、電車の中で痴漢にあった人が「声を出すことができなかった」ということを耳にしますが、セクハラ問題の恐怖とは物理的なものではなくて精神的な部分にあると思います。

仕事を失う恐怖や、周りの被害者たちが名乗り出ない中で自分が名乗り出るということへの恐怖など。

その恐怖はとてつもないものだったと思います。

だからこそ、長年に渡ってCEOの行為が黙殺されてきたんでしょう。

想像が出来ないほどの恐怖を乗り越えて女性たちが立ち上がっていく姿はとても勇気が貰えます。

そんな彼女たちの戦いを映画として完成させたのがマーゴット・ロビー演じるケイラの存在だと思います!

次はケイラについてお話していきましょう。

マーゴット・ロビーが映画として完成させた

ケイラはこの映画で唯一、実際には存在しないオリジナルキャラクターとなっています。

彼女は人気キャスターになることを夢見て大企業のFOXに入社してきた若い女性社員です。

グレッチェンやメーガンみたいなスターになるためにはロジャー・エイムズに自分を売り込む必要があると感じた彼女はついにCEOとの面談を実現させますが、そこで彼女もセクハラの被害にあってしまいます。

屈辱的な仕打ちを受けても夢をあきらめたくない彼女は周りの同僚にその事実を隠していました。

そこでグレッチェンの告発が起こります。

被害を受けたことを名乗り出れば自分はどうなるのか?

という恐怖に震えながらも、勇気を出して一歩を踏み出す彼女の存在はドラマ性を高め、
この作品を“実話の再現”から“1本の映画”として昇華させていると思いました。

 

そんなケイラと実在するメーガンとグレッチェンがこの作品の中で唯一、一堂を会するシーンがあります。

それがポスターにもなっている「エレベーターのシーン」です。

FOXでは“2階”というのは特別な場所で、CEOの部屋があるフロアです。そこに向かうというのは“なにかがある”ことを意味しています。

告発に動き出しているグレッチェン。セクハラの予感を感じながらも夢のためにCEOのの元へ向かうケイラ。2人が2階で降りる姿を見て何かを感じるメーガン

このシーンは非常に印象的でセリフはとても少ないのですが、確実にこの3人の間で非言語のやり取りが発生していたと思います。

それを表情や仕草だけで、“きまずい空気感”を演出する3大キャストの演技にも関心しました。

このシーンはこの映画全体を全て凝縮したような非常に印象的なシーンになっていますので要注目です!

まとめ

www.youtube.com

シャーリーズ・セロン、ニコール・キッドマン、マーゴット・ロビーという大御所2人と今ホットな女優の3人がメインキャストを務めるということで絶対に観ようと思っていましたが、やっぱり観て正解でした !

オスカーにノミネートされるものの惜しくも受賞はのがしてしまいましたが、この3人の実力を再認識させる作品であったとも言えると思います。

特に大御所2人に負けじと、本作のキーパーソンであり魅力的なキャラクターであるケイラを演じたマーゴット・ロビーは特に輝いて見えました!

この事件を身近なものだと私達に感じさせる重要な役柄として彼女を選んだキャスティングにも拍手です!

 

そんなマーゴットファンの私は、
彼女がセクハラを受けるシーンは「おれたちのマーゴット・ロビーに何をしてくれてるんだ!!」と怒りが湧きました。
CEOロジャーを演じたジョン・リスゴーがさらに嫌なヤツに見えてしまったことをここに白状します。笑 (ジョン・リスゴーさんごめんなさい!)

こんな酷いことがこんな大企業の中で平気で行われていたのか!と驚くほどの内容だった本作は悲しくも最近起こった実話です。
今も根強く残る性差別、女性蔑視からなるセクハラなどの問題が世界から無くなることを祈ります。

こちらの作品もおすすめ

この作品でも素晴らしい活躍を見せてくれたマーゴット・ロビーが活躍する話題の映画!こちらも観てみてください!

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