映画との素敵な出逢いをあなたに。ネタバレなしのレビューで映画をご紹介しております。

ギャング映画の終焉。名優たちが作る重厚感のある映画「アイリッシュマン 」

2019年11月27日にNetflixで公開、映画「アイリッシュマン」。

ロバート・デ・ニーロ、アル・パチーノ、ジョー・ペシというマフィア映画を支えてきた大物俳優をメインに、巨匠マーティン・スコセッシ監督が作った新作は殺し屋になった実在する男の反省を描いた、監督の集大成にしてマフィア映画の終焉を描いた作品でした。

 

重厚感あふれる長尺で描かれるアメリカの裏歴史

ロバート・デニーロ
「グッドフェローズ 」「ゴッドファーザー PART II」

アル・パチーノ
「ゴッド・ファーザー」「スカーフェイス」「カリートの道」

ジョー・ペシ
「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」「グッドフェローズ」

というギャング映画のみならず、映画界の重鎮でありオスカー俳優である超豪華な3人がメインを彩り、
「タクシードライバー 」「レイジング・ブル」「ディパーテッド」「沈黙 サイレンス」など数えきれない名作を送り出した巨匠

マーティン・スコセッシ監督

がメガホンを取ったという今まで史上、類を見ない豪華な顔ぶれが揃ったのがこの映画「アイリッシュマン」です。

一言で表せない極上の映画体験をさせていただきました。

この映画「アイリッシュマン」はマーティン・スコセッシ監督の集大成でもありメインの3人の集大成でもあります。そして【ギャング映画の終焉】が感じられる映画でもありました。

そんな話題作「アイリッシュマン」のあらすじ・キャスト・感想などをまとめてネタバレなしのレビューでご紹介させていただきます。

この映画をオススメしたい人

・スコセッシ監督や名優3人の映画を観たことがある人
・重厚なストーリーの映画が観たい人
・ロバート・デ・ニーロのかわいいスマイルが見たい人
に特におすすめしたい映画です!

予告編・あらすじ

www.youtube.com

トラック運転手のフランク・シーラン(ロバート・デ・ニーロ)は、マフィアのボスであるラッセル・バファリーノ(ジョー・ペシ)と知り合う。
ラッセルに気に入られたフランクは殺しを請け負うようになり、全米トラック運転手組合委員長のジミー・ホッファ(アル・パチーノ)を紹介される。やがてフランクはジミーの右腕に上り詰めるが、ジミーの権力に陰りが見え始める。
シネマトゥデイより引用

スタッフ・キャスト

スタッフ

【製作】2019年製作 アメリカ

【原題】The Irishman

【監督】マーティン・スコセッシ
代表作:「タクシードライバー」「ディパーテッド」「沈黙 サイレンス」など

【脚本】スティーブン・ザイリアン

キャスト

フランク・シーラン: ロバート・デ・ニーロ(「タクシードライバー」「グッドフェローズ」「レイジング・ブル」などに出演)

この映画の主人公。友人のジミーとラッセルの間に挟まれながら殺し屋として裏社会に生きてきた彼はアメリカの裏の歴史を見届けた証人でもある。

ジミー・ホッファ: アル・パチーノ(「ゴッド・ファーザー」「狼たちの午後」「スカーフェイス」などに出演)

労働組合のカリスマ的リーダー。人の心を惹きつける演説の才能があり、当時溢れかえっていた失業者たちを引き連れ、大統領選を左右できるほどの権力を得た彼は裏社会との繋がりも強かった。

ラッセル・バッファリーノ: ジョー・ペシ(「グッドフェローズ」「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」などに出演)

「バッファリーノ・ファミリー」というマフィアのボス。フランクにジミーを紹介した人物であるが、その後、力を持ちすぎたジミーと大きなマフィア組織を持つラッセルとの溝は深まっていく。

その他キャスト

ハーベイ・カイテル レイ・ロマノ ボビー・カナベイル アンナ・パキン スティーブン・グレアム ステファニー・カーツバ キャサリン・ナルドゥッチ ウェルカー・ホワイト ジェシー・プレモンス ジャック・ヒューストン ドメニク・ランバルドッツィ ルイス・キャンセルミ ポール・ハーマン ゲイリー・バサラバ マリン・アイルランド セバスティアン・マニスカルコ ステイーブン・バン・ザント

おすすめポイント

ここからはこの映画をもっと楽しんで貰えるようにネタバレ無しのレビューでご紹介させていただきます!
観る前に見どころポイントを予備知識として入れて鑑賞しましょう!

映画「アイリッシュマン」の映画ポスターです。|作品ポスター・画像 (C)Netflixより引用
作品ポスター・画像 (C)Netflixより引用

① そもそも“ ギャング映画 ”とは

1920年代から1930年代にかけて暗躍したアメリカのギャングたちの抗争を描いた犯罪映画のことです。

「ゴッドファーザー」「グッドフェローズ」「ワンス・アポン・タイム・イン・アメリカ」「アンタッチャブル」「スカーフェイス」などたくさんの名作達が世に送り出されましたが、

そのムーブメントを支えてきたのはロバート・デニーロアル・パチーノジョー・ペシの3人やマーティン・スコセッシ監督ではないでしょうか。

そんなギャング映画界のレジェンドたちが再結集して、“今の年齢だから”こそ描けるギャング映画の集大成を作り上げたのがこの「アイリッシュマン」です。

長年ギャング映画界を引っ張ってきたレジェンドたちだからこそ描ける、類を見ない映画にこの「アイリッシュマン」は仕上がっていると思いました。

彼らにしか作れないストーリーの重厚感も大きな見どころの一つだと思います!

② フランク・“アイリッシュマン”・シーランという実在の男

様々なギャング映画がありましたがこの「アイリッシュマン」フランク・“アイリッシュマン”・シーランという“ 実在した ”殺し屋である主人公の半生を元にに描かれます。

今の自由の国アメリカは
第二次世界大戦
JFK大統領の暗殺
ベトナム戦争 など
様々な悲劇を経験した国でもあります。

大戦後のアメリカはどこか鬱蒼としていて暗い雰囲気が街に漂っていました。

その“ 社会の裏 ”で暗躍していたのがマフィア達であり、“アイリッシュマン”達です。

この映画はおよそ3時間半ある上映時間の中で何十年もの月日を描き、史実に基づいた登場人物達が生きた【 アメリカの裏の歴史 】を描いた映画でもあります。

レジェンド達の演技もさることながら、この映画の魅力はその濃厚な“ ストーリー ”にあると思います。

当時の時代背景などに思いを巡らせながら観ていただければと思います!

③ 大傑作の裏にはスコセッシ監督とNetflixのドラマあり

この映画「アイリッシュマン 」は巨匠マーティン・スコセッシ監督の集大成であり最高傑作とも呼ばれている映画です。

なぜこんな傑作映画が誕生したのかというとそこには様々なドラマがありました。

この「アイリッシュマン 」の企画をスコセッシ監督が制作会社に持ち込んだところ「費用が高すぎる」と断られ続けていたそうです。それを救い上げたのがNetflixなのです!

ネット発信の映画の配信サービスであり、制作会社であるNetflixと古風な映画作りのスタイルを貫いているマーティン・スコセッシ監督がタッグを組むということで私は驚きました。

なぜタッグが実現したかというとクリエイターファーストであるNetflixの考えにスコセッシ監督が共感したからです。

 

この映画「アイリッシュマン」はCGを使った若返りを使って作られています。

2019年公開のウィルスミス主演「ジェミニマン」でもその若返りCGが使われていましたが、普通の若返りCGというのは顔にセンサーをペタペタ貼って撮影した映像にCGを被せるという方法を用いています。

しかし、この映画「アイリッシュマン 」では顔に貼るセンサーは一切使わずに特殊なカメラで撮影した本人の映像にCGを被せています。

どういうことかと言うと、本物に近いリアリティが実現しているということです!

その技術を実現するために製作費はどんどん膨らんでいき、ギャング映画では例を見ない破格の1億5000ドル以上の費用がかかったそうです。

それを全て許してくれるNetflixのチカラとマーティン・スコセッシ監督の映画作りにかけるこだわりがこの大傑作「アイリッシュマン 」を実現させました。

そんな最新技術があくまでさりげなく使われているのが凄いですよね。

④ 少し混乱するかもしれないストーリー解説

この映画はチャールズ・ブランという人が書いた「I Heard You Paint Houses」という題名のノンフィクション小説を基に作られています。
これはどういう小説かというと1975年7月30日に発生したジミー・ホッファという人物の失踪事件の真相をある説に基づいて書かれた本で、(本作ではアル・パチーノが演じています)

それをマーティン・スコセッシ監督が映像化したのがこの映画「アイリッシュマン」です。

この映画は語り部のフランクの視点からみたアメリカの裏社会と、この事件を3つのパートに分けて描かれたストーリーになっています。

 

その3つのパートが、それぞれ同じ登場人物の別の時間軸を描いているのも特徴的です。

そこで生きてくるのが最新技術の若返りCGというわけです。

この映画を楽しんでもらいやすくするためにその3つのパートについてご紹介させていただきます!

 

① 老人ホームにいるフランクがで過去を語るパート

この映画「アイリッシュマン」の冒頭から始まるパートです。このパートでは晩年のフランク・シーランが老人ホームで自分の人生について語り出すところから始まります。
つまり、この映画はフランク主観によって語られる彼自身の過去の物語であることがわかります。

② フランクとラッセル達が車でどこかに向かうパート

フランクラッセル・バファリーノ、そしてラッセルの二人の妻であるアイリーンとキャリーが車に乗り込みデトロイト に向かうパートです。
途中で集金を行いながらデトロイト に明るい雰囲気で向かう4人でしたが、見ていくうちにこの旅にはある目的があることが明らかになります

③ 若いフランクが裏社会でのし上がっていくパート

上映時間の中で最も時間の比重が多いのがこのパートです。

兵役から帰国したまだ若かったフランクが密かに肉を売っている商売が上手くいかなくなったことをきっかけに従兄弟であるビル・バファリーノという弁護士と知り合います。
そこから「ブファリーノ・ファミリー」というギャングファミリーのボス ラッセルと出会い、殺し屋としての仕事を始めます。
その後、フランクラッセルの紹介で出会ったジミー・ホッファから労働者組合の仕事も受けるようになります。

アメリカの裏社会で生きてきた大物ラッセルジミー、そしてその間に立つフランクという3人の物語が始まります。

というのが3つ目パートになっています。

 

強大な力を付けて大統領選を左右するほどの権力を付けていくジミーと、ラッセルをはじめとするギャング達との関係性が悪くなっていくことにつれて、両者と親交が厚いフランクは板挟みになっていきます。

そこで起こるのがジミー・ホッファの失踪事件。

この失踪事件までの過程を追っていく中で、
表では語られることが無い、国を裏で動かし続けてきた“アイリッシュマン”達が作ったアメリカの裏の歴史を追っていくというのがこの映画「アイリッシュマン」です。

⑤ アメリカの裏の歴史を長い時間軸で描く

この映画が描いたのは【 とても長い時間 】だと思います。

特に劇中でデニーロ演じるフランクが「 時間はあっという間に過ぎていく・・・ 」と語るシーンがとても印象的で心に残ります。

3時間半というのは長い!と思うかもしれませんが、この映画で描かれるのは“ 何十年 ”なので実際に見ると更にもっと長く感じると思います。

私は「なるほど。これが監督の描きたかったことなのか!」と思いました。

何十年も映画を撮ってきたマーティン・スコセッシ監督
同じく、何十年も映画界を支えてきたレジェンド達

私はそんな彼らが映画界で今まで歩んできた“ 時間の長さ ”を主人公のフランクや、アメリカの歴史に重ねて描きたかったのがこの映画なのかと解釈しています。

その描かれる時間の長いストーリーと、自分の人生を振り返る老いたフランクにギャング映画の終焉を感じさせられました。

この映画を観て、彼らの描く・・・いや、彼らしか描けない世界を楽しんでください。

おわりに

この映画は監督とレジェンドたち4人にとって今までの作品の中での集大成になると思います。

また、長く続いたギャング映画のムーブメントの終焉も表しているような気がしました。

ギャング映画というのは最近あまり見なくなりましたが、その流れにトドメを刺すように現れたこの「アイリッシュマン」という映画は
映画制作費の規模の大きさや、キャスト、監督、描かれるメッセージなど。どれを取ってもギャング映画のフィナーレにふさわしいと思います。

今までスコセッシ監督やこの3人のレジェンド達を愛してきた映画ファン達にとってもこの映画は総決算的な1本になると思いました。

集大成ではなく、言い換えると【終大成】的な映画だと思います。

この映画「アイリッシュマン」映画史に大きな爪痕と終止符を残していきました。

確実に2019年を代表する映画の一つになるでしょう。

こちらの作品もおすすめ

アメリカの裏社会に生きる男たちの人生を垣間見たあなたには、裏社会に生きる孤独な男女を描くこちらもおすすめです!

関連記事

2019年5月17日に公開、映画「ガルヴェストン」。ベン・フォスターが主演を務め、今話題の女優エル・ファニングがヒロインを務めて出来上がったのは生きる希望を失った孤独な女の子に、命僅かな男が生きる意味を与える物語でした。余命[…]

映画「ガルヴェストン」の映画ポスターです。|作品ポスター・画像 (C)2018 EMERALD SHORES LLC - ALL RIGHTS RESERVEDより引用

作品ポスター・画像 (C)Netflix